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前回のあらすじ

ブロワー
「オラオラ七輪ふざけたことぬかしとると痛い目見るぞぉ!?」ヴォンヴォォン

七輪
「やめてー!私の中の炭たちが酸素と結合してしまうわ!!」


「………」


そんな時間が幾度となく過ぎていった。
鍋の姿は変色し、蓋の取っ手は取れ確実にダメージを受けていた。



またしばらくして鍋の蓋を期待交じりに恐る恐る開けてみる。
確実に溶けている!こう見るとしょぼいゴミにしか見えないが溶けている!
ブロワーのスイッチを押す指にも熱が入る。
更に溶かすために中の炭を一度入れ替え、超高温でアルミを溶かしていく。
正確には蓋をしているので溶けて行ってくれと祈りながら火を強めていく。



ついに完全な液体化したのを確認!
こうなればこっちのもの、ひばさみでかき混ぜると…

I
溶けるや溶けるや、まだ缶の形を残していたところもすべて奇麗な銀色に。
GoemonNewyamusicは水が沸騰するように待つしかないのだと思っていたが、
融点を超え液状に変化した部分は我々が思っていた以上に他部分と混ぜても温度が下がりにくいようだ。



それがわかるや否や、二人はもってきていた空き缶の残りを次々に投入しては混ぜた。
熱を与え続けること10分ほどだっただろうか、ついに我々の求めていた結果にたどり着く。


地獄のエターナルクッキングによりついにアルミ缶を一つのアルミへすることに成功した。

あの
Goemonによっていくつもに切り裂かれていたアルミ缶たちが、ようやく一つの体になったのである。



この時点で先日
Goemonが作ってくれたピックの型がまだ完全に乾いておらず、
またそれを含む我々の準備不足があり、
今日は本命のアルミの型取りに関しては断念した。
そもそもの話この焼石膏が660℃以上あるアルミニウムに耐えられるのかどうかの確証すら得られていない。
あんな(手で持った感じ)簡素な素材が耐えられるとは、正直なところあまり考え難い。
しかしながら、アルミニウムをここまでできるということは、鉛であればもっと簡単だということでもある。
結局一番大事なところまでは今日も到達できなかったが、大きな一歩を確認した一日であった。



作業も終盤、アルミニウムの温度を下げ、今日のところは終了としようとした。
そして鍋を持ち上げたその時である。



ついに鍋が悲鳴を上げた。
アルミニウムが鍋の底を突き破り、まるでヴァルー様のしっぽのごとく飛び出しているではないか。
こうなっているということはつまり…



やっぱりそうですよね。
我々の苦労の結晶が逃げていく。
あまりのショックにカギつめロープひっかけてやろうかと思った。
とにかく鍋を冷やしたい、アルミニウムが逃げてしまう前に固めたい、今はそれしか頭になかった。
この時の二人は経験値に目がくらんだ満月の塔の冒険者そのものであった。

家の畑から土をしき水をしみこませ、その上に何度も何度も置いたり離したり、
それを繰り返しながら温度を下げていった。

Goemon
「もう鍋に水かけたらよくね?」

Newyamusic
「怖いんじゃ!俺はそれが怖くて出来やんのじゃ!」


結果
Newyamusicが勝手に徐々に温度を下げていった。
ここでである。

高温に耐えきれなくなった鍋の取っ手が我々を裏切った。
それもそのはず、非常に薄い金属でつながったプラスチックの取っ手なのである。
本来なら耐えられるはずがなかった。

笑いが加速する中この600℃以上もある高温の鍋を水で急激に冷やしたらどうなるのだろうかと考えた。
Newyamusicには少なくとも安全には思えなかったので今回は徐々に冷やしたが、
何も起こらないのであれば水で冷やした方が楽だし早いのだが、どうしてもそれに踏み切る勇気がなかった。



アルミニウムも固まり、ある程度温度と我々のテンションも下がり、周りが見えるようになった時である。
七輪のヒビに気が付いた。



酷い、酷すぎる。
あまりにも醜く残酷なこの状況に笑いが止まらない。
最初の火を起こす前の七輪の状態から数時間でこれである。
鍋といい七輪といい、我々にとっての約5時間の中で30年近い月日を過ごしてしまった。



鍋は息絶え、七輪は崩壊直前。
失ったものは小さいとは言えなかった。

しかしながら
GoemonNewyamusicが得た経験値には代えがたいものがあった。
本題の鋳造まではいけなかったものの非常に大きく前進したといえるだろう。
自分たちの頑張りからすでにやったった気になっている二人。
久々の大きな達成感とともにこの二人を襲ったのは…
 

         
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